UpBoardにUbuntuをインストールする方法

目次

  1. 1. 目標
  2. 2. 準備するもの
  3. 3. Ubuntuのインストールメディアの準備
    1. 3.1. イメージのダウンロード
    2. 3.2. Rufusのダウンロード
    3. 3.3. イメージの書き込み
  4. 4. UpBoardに各種機器を接続
  5. 5. Ubuntuのインストール
    1. 5.1. 「ようこそ」
    2. 5.2. 「Ubuntu のインストール準備」
    3. 5.3. 「インストールの種類」
    4. 5.4. 「インストールの種類」パーティション設定
    5. 5.5. OSインストール用領域の作成
    6. 5.6. UEFIブート用領域の作成
    7. 5.7. スワップ領域の作成
    8. 5.8. ユーザ領域の作成
  6. 6. つまずいた所
  7. 7. おわりに

目標

UpBoardにはオンボードフラッシュメモリ(eMMC)が実装されており、そこにOSをインストールすることが可能です。しかし、このメモリが壊れた場合、修復することが非常に困難なので今回は、USB3.0で接続したSSDにUbuntuをインストールしてみたいと思います。

目標は以下のとおりです。

  • OSはUbuntuを利用する
  • オンボードフラッシュメモリ(eMMC)は使用しない
  • USB3.0に接続したSSDにOSをインストールする

準備するもの

  • PC(Windows、Linuxどちらでも可)
  • USBメモリ(容量は4GB以上推奨)
    • OSのインストールメディアを作るのに必要です。
  • 電源アダプタ
    • センタープラス、2.1mm、5V/4A出力のものが必要です。
  • HDMIケーブル
  • USB3.0 MicroBコネクタ オス → Aコネクタ メス 変換ケーブル
    • UpBoardのUSB3.0ポートはMicroBコネクタなので、Aコネクタに変換するのに必要です。
  • USB3.0 → SATA 変換ケーブル
  • SSD
  • USB接続のキーボード(マウスもあれば設定が楽です)
    • PS2接続のキーボードをUSBに変換して接続すると、相性によって不安定になるのでUSB接続を推奨します。

Ubuntuのインストールメディアの準備

UpBoardは、通常のX86/X64用イメージを使うことができます。なので、インターネット上で入手できるPC用のイメージをそのまま使うことが可能です。

今回は、日本語化されたUbuntuイメージを使ってみます。

イメージのダウンロード

Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード

https://www.ubuntulinux.jp/download/ja-remix

上記サイトから、64bit版の ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso(ISOイメージ) (md5sum: 76a02f16f56c01f96aeda325914432fd) をダウンロードしておきます。

Rufusのダウンロード

ダウンロードしたUbuntuのISOイメージをUSBメモリに書き込むために、Rufusというソフトが必要になるのでダウンロードしておきます。

Rufus 起動可能なUSBドライブを簡単に作ろう

https://rufus.akeo.ie/

上記サイトの ダウンロード から Rufus 2.11 をダウンロードしてください。インストーラ版とポータブル版がありますがどちらでもかまいません。

イメージの書き込み

用意したUSBメモリをPCに接続して、Rufusの起動後に以下のように設定を行います。

  1. ドライブのアイコンをクリックし、UbuntuのISOイメージを選択する
  2. デバイス:USBメモリになっているか確認する
  3. パーティション構成とターゲットシステムの種類MBR UEFIコンピュータ用のパーティション構成 を選択する
  4. スタート を押す

この時、上記以外の順番で設定を行うと設定が崩れます。必ず手順通りに行ってください。

イメージの書き込みモードを聞かれるので、DDイメージモードで書き込む を選択してください。

あとはUSBメモリへの書き込みが完了するまで待つだけです。

UpBoardに各種機器を接続

ここまでで、Ubuntuをインストールする準備ができたので、UpBoardに必要な機器を接続していきます。電源アダプタはまだ接続しないでください。UpBoard自体には電源ボタンが無いため、勝手に起動してしまいます。

  • キーボード
  • マウス
  • 先に作成したUSBメモリ
  • SSD
  • HDMIケーブル

上記の機器の接続が終わったら、電源アダプタを接続します。電源が接続されると自動的にブートします。

Ubuntuのインストール

最初に GNU GRUB Version 2.02~beta2-36ubuntu3 というタイトルの黒い画面が表示されます。

  • Try Ubuntu without installing
  • Install Ubuntu
  • OEM install (for manufacturers)
  • Check disc for defects

上のようなリストが表示させるので、二番目の Install Ubuntu に十字キーでカーソルを合わせてエンターを押してください。

次に、Ubuntuのインストーラが表示されるので、ガイドに従い、以下のように設定を行っていきます。

「ようこそ」

この画面で使用する言語を指定します。今回利用したISOイメージの場合、日本語がデフォルトで選択されているはずなので、続ける ボタンを押してください。

「Ubuntu のインストール準備」

各種ドライバや、動画再生に必要なソフトウェアなどをインストールするかと問われますが、必要な方は グラフィックス、Wi-Fi機器、Flash、MP3やその他のメディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする にチェックを入れて、続ける ボタンを押してください。

なお、ここでインストールを行わなくても、後でインストールすることが可能なので、私はチェックを入れずに進みました。

すると、以下のようなメッセージが表示されました。

あなたのコンピュータのファームウェアは、UEFIモードでインストーラを開始しましたが、あなたのコンピュータには”BIOS互換モード”を利用するオペレーティングシステムがすでにインストールされているようです。このままUEFIモードでDebianのインストールを続けると、BIOSモードのオペレーティングシステムを後になって再起動することが難しくなります。

UEFIモードでインストールすることを望んでおり、既存のシステムを起動できなくなってもかまわなければ、ここで「はい」を選びます。BIOS互換モードを利用する既存のオペレーティングシステムを起動できる状態を保持したいなら、UEFIインストールをしないよう、ここで「いいえ」を選ぶべきです。

恐ろしいことが書いてありますが、クリーンインストールを行うので無視して、UEFIモードにとどまる ボタンを押して次に進みます。

「インストールの種類」

ここでUbuntuをどのようにインストールするのかを選択します。ディスクを削除してUbuntuをインストール を選択すると、OSをインストールするディスクなどを細かく設定することができないので、それ以外 にチェックを入れて 続ける ボタンを押します。

「インストールの種類」パーティション設定

次に、Ubuntuをインストールするディスクのパーティションを設定していきます。

最初にリストに表示されている項目は、以下のようになっているはずです。

  • /dev/mmcblk0
    • /dev/mmcblk0p1
    • 空き領域
    • /dev/mmcblk0p2 ntfs
    • 空き領域
  • /dev/sda
  • /dev/sdb

/dev/mmcblk0 がUpboardに実装されているeMMCです。

/dev/sda/dev/sdb がUSBメモリとSSDになっていると思います。ここの部分は、認識される順番やUSBポートによって異なるので、ブートローダーをインストールするデバイス: を見て、SSDを選択してください。私の場合は*/dev/sdb*がSSDとなっていたので /dev/sdb にパーティションを切っていきます。

リストに表示されている /dev/sdb にカーソルを合わせて、新しいパーティションテーブル… ボタンを押します。すると 空き領域 という要素が追加されるので、そこにカーソルを合わせて ボタンをクリックします。

パーティション作成画面に移動するので、以下のように設定を行います。

OSインストール用領域の作成

項目設定値備考
サイズ100000100GBを指定
新しいパーティションのタイプ基本パーティション
新しいパーティションの場所この領域の始点
利用方法ext4 ジャーナリングファイルシステム
マウントポイント/

あとは同じように、空き領域にカーソルを合わせて、UEFIブート用領域の作成、スワップ領域の作成、ユーザ領域の作成を行ってください。

UEFIブート用領域の作成

項目設定値備考
サイズ100100MBを指定
新しいパーティションのタイプ基本パーティション
新しいパーティションの場所この領域の始点
利用方法UFIシステムパーティション

スワップ領域の作成

項目設定値備考
サイズ1000010GBを指定
新しいパーティションのタイプ基本パーティション
新しいパーティションの場所この領域の始点
利用方法スワップ領域

ユーザ領域の作成

項目設定値備考
サイズ残りの領域すべて
新しいパーティションのタイプ基本パーティション
新しいパーティションの場所この領域の始点
利用方法ext4 ジャーナリングファイルシステム
マウントポイント/home

上記すべてのパーティション作成が完了すると、以下のようになるはずです。

  • /dev/sdb
    • 空き領域
    • /dev/sdb1 ext4
    • /dev/sdb2 efi
    • /dev/sdb3 swap
    • /dev/sdb4 ext4

あとは、ブートローダをインストールするデバイス/dev/sdb を指定して インストール ボタンを押せばUbuntuのインストールが始まります。

つまずいた所

  • パーティション作成の時に、UFIシステムパーティションを作成していなかったので、OSインストール中にGRUBがエラーを吐いて何度も中断。
  • PS/2接続のキーボードをUSBに変換して接続したところ、レスポンスが非常に悪くなり、操作不能に陥った。

おわりに

RaspberryPiとは違って、IntelのAtomが載っているので、デスクトップ用のイメージがそのまま使えるのが非常に楽です。今回はUbuntuをインストールしましたが、Windowsを利用することも可能なので、機会があれば試してみたいと思います。